iPhone・iPadでOpenStreetMapデータを使う
OpenStreetMap(オープンストリートマップ)は、世界中の何百万人ものボランティアが作っている、もっとも充実した無料の世界地図です。道路や農道、河川や水路、建物の形状、農地や森林の区画まで、ほぼすべてが描かれています。ところが、これをGISデータとして取り出そうとすると、たいていはデスクトップのソフト、Overpassクエリ、あるいは国単位の巨大なファイルをダウンロードしてから必要な数平方キロメートルだけを切り出す作業が必要になります。
GoGISの参照データにOpenStreetMapが加わりました。地図を対象エリアに移動してレイヤーを選ぶだけで、OpenStreetMapのフィーチャが本物のGISレイヤーとしてiPhoneやiPadにダウンロードされます。道路や建物の一つひとつが、タップ、編集、スタイル設定、計測、エクスポートのできるフィーチャです。
4つのOpenStreetMapレイヤー
列名はアプリでも英語で表示されるため、以下でも英語のまま記載しています。
- OpenStreetMap 道路 — 高速道路から農道、歩道、自転車道まで、道路の種類別に色分けされます。列:Road Type(道路の種類)、Name(名前)、Ref(道路番号)、Surface(路面)、Max Speed(最高速度)、OSM ID。ダウンロードの前に十分ズームインしてください。
- OpenStreetMap 河川・小川 — 河川、小川、運河、用水路、排水路に加え、ダムや堰も含まれます。列:Waterway Type(水路の種類)、Name、Intermittent(季節河川かどうか)、OSM ID。水辺からの後退距離の確認に役立ちます。
- OpenStreetMap 建物 — 建物の形状とその種類:住宅、納屋、農業用建物、物置、サイロ、温室、倉庫、学校、教会など。列:Building Type(建物の種類)、Name、Levels(階数)、Address(住所)、OSM ID。町には建物が非常に多いので、かなり近くまでズームインしてください。
- OpenStreetMap 土地利用 — 農地、牧草地、果樹園、ぶどう園、森林、住宅地、商業地、工業地、採石場などの土地利用区域。列:Land Use(土地利用)、Name、OSM ID。
OpenStreetMapは種類をhighway=trackやbuilding=farm_auxiliaryのようなタグで保存しています。GoGISはこれを「Track」(農道・林道)や「Farm building」(農業用建物)のような平易な言葉に書き換え、各レイヤーにすぐ使える凡例を付けます。OSM IDも残るので、いつでもopenstreetmap.orgで元のフィーチャを確認できます。
OpenStreetMapデータのダウンロード方法
- 地図を対象エリアに移動します。住所や地名を検索するか、パンとズームで移動します。GoGISは画面に表示されている範囲をダウンロードします。
- 参照データを開きます。インポート、続いて参照データをタップし、OpenStreetMapのレイヤーを探します。
- レイヤーを選びます。道路、河川・小川、建物、土地利用のいずれかです。GoGISは今いる地域を判断し、適切な地域別コピーから取得します。範囲内のフィーチャが非常に多い場合は、件数を示し、ダウンロードの前に確認します。
- 活用します。フィーチャをタップして列の内容を確認したり、属性テーブルを開いて並べ替えや絞り込みをしたり、凡例を変更したりできます。
できること
- OpenStreetMapをShapefile、GeoPackage、KML、GeoJSONにエクスポート。レイヤーをダウンロードし、ほかのソフトが必要とする形式でエクスポートします。ある地域の道路や建物のきれいなShapefileを手に入れる方法として、私たちが知る限りもっとも手軽です。
- 編集する。レイヤーは自由に使えます。不要なものを削除したり、農道の形を実際の通り道に合わせて修正したり、まだ描かれていない農業用建物を追加したり、独自の列を加えたりできます。
- 後退距離を計測する。河川や道路に一定距離のバッファをかけ、差分で圃場からそのバッファを差し引けば、残る面積がわかります。
- 自分のデータに背景情報を加える。サンプル地点、区画、調査地点を周辺の道路や建物の上に重ね、その地図をオフラインで現場に持ち出せます。
- 地図を印刷する。自分のレイヤーを載せたPDF地図を作成でき、OpenStreetMapのクレジットが隅に印刷されます。
データの出どころ
GoGISは、EsriがホストしているOpenStreetMapのコピーからダウンロードします。Esriは世界の地域ごとにコピーを用意しています:北米・中米・南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリア・オセアニアです。GoGISは地図の位置からコピーを選び、地域の境界付近である地域のコピーにデータがなければ、隣の地域のコピーを試します。コピーはOpenStreetMapから定期的に更新されるため、昨日誰かが行った編集はまだ反映されていないことがあります。
ライセンスについて:OpenStreetMapのデータは © OpenStreetMap contributors であり、Open Database License(ODbL)のもとで提供されています。寄稿者のクレジットを表示すれば、商用を含むあらゆる目的に利用できます。GoGISはそのクレジット「© OpenStreetMap contributors (ODbL). Hosted by Esri.」をレイヤーに保持します。クレジットはPDFの印刷物に記載され、エクスポートにはsources.txtファイルとファイル自体のメタデータとして含まれます。このレイヤーから切り出したり結合したりしたレイヤーにも引き継がれます。
よくある質問
Overpassクエリを書く必要はありますか?
いいえ。レイヤーを選ぶだけで、GoGISが画面内のフィーチャを適切な地域のサービスに問い合わせます。書くものも設定するものもありません。
どこでも使えますか?
南極大陸を除くすべての大陸で、OpenStreetMapがマッピングされている場所ならどこでも使えます。データの量は地元のマッパーによって異なり、都市部やヨーロッパの多くは非常に詳しくマッピングされていますが、農村部には主要道路しかない地域もあります。
オフラインで使えますか?
はい。出かける前にWi-Fi環境でレイヤーをダウンロードしておいてください。レイヤーは端末に保存され、通信なしで使えます。詳しくはフィールドワーク用オフラインマップをご覧ください。
参照データにはほかに何がありますか?
米国では、USDA SSURGO土壌データ、FEMA洪水区域、湿地、河川など。カナダでは、オンタリオ州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、ブリティッシュコロンビア州とカナダ全土の土壌図(英語ページ)があります。日本では、全国の農地の区画を表す筆ポリゴン、フランスでは地籍区画と作付区画を利用できます。